やりがいとつながりを創出する住まいの総合パートナー

2. ただ横浜をよくしていきたい

■社員全員で駅前清掃

—— 不動産業のイメージとはだいぶかけ離れていますね。

山下 残りの三分の一は社員の研修や教育、それに採用の面接、もう三分の一が日常業務になります。

—— ふつう効率を重視して、不動産業であれば賃貸、売買を進めていくのが当たり前ななかにあって、失礼な言い方かもしれませんが、かなり特殊な業務形態だと思うのですが。

山下 きれいな建前のような言葉なのでなかなか伝わりにくいかもしれませんが、ただただ横浜をよくしていきたい、それだけなんです。そのために地域の活性化も取り組んでいます。

あまり知られていませんが、不動産業界はシビアな世界で、10年続く会社は100社のうち1社といわれています。ただお金を稼ぐという考えだけでは続かない。地域にもきちんと貢献をしていって、お客様はもちろん、地元の方々にも愛されないといけません。そういう思いのもと、私どもで駅前の清掃もやらせていただいています。

—— それはリストの社員が、ですか?

山下 はい。全支店で毎日、です。ほんの20~30分程度ですが。

■社員同士もつながる

—— そうしたなかで地域の方ともかかわると思うのですが、慣れないことも多かったでしょうし、なにより住民とのあいだに信頼関係を築くまでが大変だったのではないでしょうか。

山下 はじめのうちは、社員も無駄話が多いこともありましたが、一定期間が過ぎると、それぞれプロ意識がありますから、私たちがこの街をきれいにしていくんだという気持ちが芽生えてくる。そうすると、毎朝すれ違う方から「おはよう」「今日もありがとうね」といっていただけるようになってきました。

—— 見ているものの射程が全然違いますよね。目の前の売上げだけを追いかけていない。実際に住民の方に喜んでいただけたり感謝してもらえることで、社員もやりがいを感じるでしょうし。山下さんもやられているわけですよね。

山下 そうです、環境美化ですね。あくまで「スポーツとしての」ゴミ拾いという位置づけですけど(笑)。

—— なるほど(笑)。ルールはどうなっているのでしょう。

山下 毎日やらせていただいています。地域の方とも不動産の物件につながるのではなく、清掃活動とか、先ほどお話したスポーツGOMI拾いなどでつながっていく、そういうつながるためのマッチングポイントを、いくつかご提供できているのかなと思います。

—— 社員同士のつながりにもなる。

山下 そうですね、はい。

—— 結束力が高まりますし、コミュニケーションを重ねるチャンスにもなりますよね。

山下 私たちの業界は基本的には個人プレーです。営業マンがプレイヤー。日々の仕事がはじまってしまうと、それぞれのお客様を担当して、物件を見にいったりとか、ご案内に行ったりとか、別行動なんです。そんななかで一緒に行動できる貴重な時間のひとつが朝の清掃活動になっています。

岩谷 そうすると、そういうところでモチベーションが保持できたり、考えがシェアできたりする。

山下 あると思いますね。確実に。

—— 以前はどちらの店舗にいらっしゃったんですか?

山下 以前は東戸塚です。

岩谷 いまは何店舗くらい……。

山下 いまは全部で6店舗ですね。比較的大規模な店舗で展開させていただいております。