お客様のためのワンストップサービス企業を目指して

4.ワンストップサービスへ

■モデルケース 「レフボ」の提供まで

青沼 いま、とくにみなとみらい地区には新しい企業がつぎつぎ入ってきています。どの企業もみな最先端といいますか、これまでにない価値のわかる方が多いと、私は思っているんです。ですから、逆にわれわれの商品に対してもすごく厳しい目を向けてくださいます。たとえば弊社製品の価格が高いか安いか、高いならその価格に見合った価値があるのかどうか……いい/わるいの価値判断がじつにはっきりしている。そういう意味では、サービスを提供する側にも高いクリエイティビティを求められるのが横浜かなと思います。

—— 今後の展望、あるいは新たに考えていらっしゃることについてもおうかがいしたいのですが。

青沼 われわれはこれまで複合機をメインで販売してきました。でも、それだけではお客様に充分に満足していただくことはできません。昨年の東日本大震災の直後、弊社の機械の製造ラインが停止してしまい、お客様への製品供給がストップする期間がありました。肝を冷やしましたが、その後福島第一原子力発電所の事故が起こり、電力不足から節電がはじまるなかで、いまお客様が求めているのは複合機のような商品を紹介されることではないと気がつきました。私どものお客様は企業が中心ですが、やはり節電対策に頭を悩まされていたんです。

弊社の顧客に大和ハウス様がいらっしゃいます。あるとき大和ハウスの方と話をしていて、ある商品をご紹介いただきました。「レフボ」という高効率反射板です。ふつう、オフィスの蛍光灯は、2本ないし3本でワンセットになっています。節電対策としてその蛍光灯を1本外して消費電力を抑えるようにしているお客様が非常に多かったのですが、それだとどうしても業務の効率が下がってしまいます。効率は落とさずに、消費電力も抑えて、なおかつLEDほど導入にお金がかからない方法はないかと考えたときに、レフボはまさにすべてをカバーできる商品だったんです。それで、大和ハウス様から商品を仕入れさせていただき販売できる体制を整えました。お客様にご提案したところ、皆さん非常につよい関心をもっていただき、多くの企業にご導入いただけました。

■新たな関係性の構築

加藤 基本的にお客様が求めていらっしゃることは幅が広いです。弊社としてはここれまでは複合機をあつかうメーカーとして認知いただいていますが、それはひとつのベースです。いまはそこからさらに発展していて、お客様がオフィスをより快適にするための提案をできる用意があります。そのことのご理解をいただければ、弊社にいろいろなものをお任せいただけるのではないかと。そういう関係性を、今後はさらに築いていきたいですね。

そういう意味でワンストップサービスなんですよね。富士ゼロックスの営業がお客様のワンストップサービスになっていくこと、それがいま一番目指しているところです。極端な話、仕事にならなくても、そうした関係が結べればなんでもいいんです……って、これは問題発言ですね(笑)。

— (笑)そのくらいのパートナーになるっていうことですよね。

加藤 ワンストップサービスですから、企業だけでなく地元にも密着して、根ざしてやっていければと思っています。近くに商店街があるならその商店街の人とも、きちんとコミュニケーションをとっていかなきゃいけない。今回の裏横という場所の活性化にわれわれとしても協力して、もっとここを認知してもらって、この街のよさをわかってもらえたらうれしいです。実際に自分たちが訪れてみても、とても魅力的な街でしたし、もっと知られてしかるべきだと思いますから。