お客様のためのワンストップサービス企業を目指して

3.人と人、地域と地域をつなぐハブとして

■目には見えない価値を提供する

—— 富士ゼロックス神奈川が地域の分断や横のつながりの喪失に対する架け橋として機能している印象を受けました。

青沼 弊社が地域のハブとして機能してお客様同士によろこんでいただければ、それが一番です。お客様同士の共通項は、弊社のお客様であるということ、それのみです。でもそのお客様同士がこちらが設けた機会を利用してくださり、なんらかのメリットを得て、あるいはつながりをつくってくださって、よろこんでいただければ、われわれとしてはいい場をご提供できたことをうれしく思えます。

—— 自社製品のプロモーションチャンスでもあると思うのですが。

青沼 そうした場では、自社製品の売り込みは一切しません。全員がホストに徹して、富士ゼロックスグループをPRすることもしません。そうしたこちらの姿勢がご参加いただいたお客様に伝わっているからこそ、これほど長く続いているのかな、と思っています。

岩谷 お話をうかがっていると、物の考え方や価値といいますか、なにか目に見えないようなものを提供されているのだと感じます。

青沼 たしかに利益に直結することはありません。わかりやすく売り上げにもつながらないと思いますが、人と人のつながりを増やして信頼を築いていくことで、これからの富士ゼロックスグループの価値も高まると思っています。そのためのベースを、富士ゼロックス神奈川としてつくっていきたいという目標がありますね。

—— 経営哲学がすごくはっきりしていますよね。富士ゼロックスグループは広報誌『グラフィケーション』も刊行されていますよ。とても充実した内容の本で、一企業の広報誌とは思えないほどの内容です。そういうことも含め、単純に数字に換算できないところでの活動を重んじられている。これまでお話をおうかがいしていて、[urayoko net]を開催しているわれわれもとてもいい刺激をいただきました。[urayoko net]は昨年スタートしたばかりなのですが、ご存知でしたでしょうか。

磯貝 はい。チケットも購入させていただきました。

岩谷 ありがとうございます。

磯貝 ただ、やっぱり興味がある人に、こういうものがある、と知らせるレベルで、会社としてはご協力できていませんでした。私も、昨年参加されたお店のいくつか、「CRu」さんにいってみたら「こういうのあるよ」と教えていただいたいて。バス停のモチーフもよかったですし、チラシのデザインも洗練されていて、おしゃれだな、誰がつくっているのかなと思っていたら、じつは高島にあるデザイン会社のものだと聞いて、なるほどと思いました。

■利益を超えたところで

—— 富士ゼロックス神奈川が地域企業、地元産業に対するハブの役割を担っているとしたら、[urayoko net]は飲食店に対してのハブ的役割を担っています。

岩谷 お話を聞いていて似ているところがあるなと感じていました。それは、「人と人とをつなげていく」という視点が根本にあるからだ1と思います。[urayoko net]のコンセプトに、飲食店が中心になって、街の住人や街を訪れる人々、その顔と顔が見えるようなネットワークをつくるというのがあります。

加藤 さきほどから申しておりますように、私どもとしては地元密着・地域貢献を柱に、富士ゼロックスグループのひとつのモデルになれればと考えております。ですから、やはりとても近いところで、利益目的でなくがんばっているイベントがあれば、当然応援させていただければと思っています。まあ、お酒が好きで、美味しいお店をたくさん教えてもらえたらいいなというのもありますが(笑)。

— (笑)本当に美味しいお店が多いので、社員の方にもぜひ足を運んでいただきたいです。